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Author: みっち 
とっても小さく生まれ、重症心身障害を持つ次女・ふたばと過ごす日々を綴ります。

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NICU2(長いトンネル)

NICUで過ごした10ヶ月間、私はふたばのベッドサイドで泣き崩れるようなことは一度もありませんでした。

1kgに満たない体重で生まれたふたばは、もちろんとっても小さくて、
チューブや機器のつながった姿だったのですが、
ふたばの姿はいつも、すごく強くたくましく見えました。
体全体で生きているような、不思議なオーラ(?)が出ているようでした。

そして、超重度と呼ばれる部類の赤ちゃんでしたが、なんだかユーモラスなことが多くて、
スタッフの方たちとよく笑いました。
大きな音が聴こえると、ばーんと両脚を広げるしぐさや、
お風呂(ベビーバス)につかると「ぷはぁ~」とでも言っているような様子や、他にもいろいろ。

ただ、一時期、私にも、しんどい波が来ていた時期がありました。
生後4ヶ月頃、他の低体重の赤ちゃんを見る機会が増え、
ふたばの見た目が他の赤ちゃんと全然違うことに気が付いた頃のことです。

口が開きっぱなし。笑うことが一度もない。ふとした時に白目をむく。
そのことを、ずいぶん長い間、スタッフの方に聞くことができずにいたのです。

「ふたばは、他の赤ちゃんと全然見た目が違いますよね?
ちょっとおかしいですよね?なぜですか?」
…ということが頭にいっぱいだったのですが、聞くことができませんでした。

怖かったのだと思います。自分が、事実を受け止められるかどうかがわからなかった。
そのことが何よりも怖かったのです。

同じ時期に低体重で生まれた赤ちゃんは、じきに呼吸器がはずれ、経口摂取ができ、
笑顔を見せるようになって元気に退院していきます。
NICUで友達になったお母さん達も、どんどんいなくなっていきました。

一方ふたばは、だんだんと自力呼吸がしんどくなっていきました。
栄養も、口からは一滴も摂ることができません。笑顔も一度も見られません。

そしてNICUにいる赤ちゃんや、街で見かける赤ちゃん、
ついには長女ひとみの小さい頃の写真まで、
直視することができなくなってしまいました。


ふたばは助かって良かったのだろうか?
医療に生かされていて幸せなのだろうか?
毎日、身を削られるような思いでした。
ただ「ふたばのために」と頑張れるほど、
「障害があっても、生きていてくれるだけでいい」と思えるほど、
ふたばへの愛情が深かったら良かった。
自分は全く献身的な母親ではないことを自覚しました。

長い長い暗いトンネルにいるような気分でした。

「気分の落ち込みがひどいので、話を聞いてくれる人が欲しいです」
面談の時、医師に伝えると、
病院専属の臨床心理士(病院のスタッフのカウンセリング業務をしている)がいるので、
カウンセリングを受けてみてはどうか、と勧めてくれました。
ありがたいことに料金は無料で。
そしてこれは、この病院では初めての試みだと言われました。

いつもふたばを見てくれているスタッフの方を相手にすると、絶対に本音が吐き出せない。
ふたばの話になると、いつものようにふたばに関する前向きな会話だけで終始してしまいます。

なので、ふたばのことも私のことも全く知らない臨床心理士に、気持ちを打ち明けることは、
とても私を楽にしてくれました。
励ましもせず、否定もせず、ただただ聞いてもらう。
このことが、この時期の私にとってはとても大事なことだったと思います。




ひとみの前でも一度だけ、ふたばのことで涙を見せてしまったことがあります。
3歳になったばかりのひとみが
「ふたば、早く家に帰ってきてほしいな。だって大好きだも~ん!」
と突然私に言ってきたことがありました。

まだ、直接ふたばに会ったことのないひとみ。
NICUで撮ったふたばの様子を写真や動画で見せたり、
病棟で窓越しに顔を合わせるだけの面会を一回しただけでした。
それなのに、大好きと言っている愛情深いひとみの言葉に涙が出ました。
泣いている私を見てひとみは、めいっぱいの笑顔で
「ママ笑って!い~っぱい笑って!」と言ってくれました。
ひとみの存在にも、大きな力をもらっていました。
早く姉妹で過ごす時間を作ってあげたいという思いが強くなっていきました。


(NICU3に続きます)


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コメント

Secret

こんにちは。

みっちさんからの返信コメント、いつもたくさんのメッセージが溢れていて、読むたびにウルッとしてしまいます。
私もいつもコメントが長くなってしまって申し訳ないのですが、一言に自分の気持ちをまとめられない性分なのと、みっちさんの記事に影響を受けてお伝えしたくなることがたくさんあったりなので、長コメントをお許しください。

次女の病気は今年1月で、翌月頃から障がい児ブログを知り、読ませてもらうようになりました。それでも次女の受容ができずにいたので、このまま症状が固定してしまうことが怖かったし、ブログを読み進めることで未来を知ることも怖く、どの方のブログも退院するまでの記事でとどまっていました。

その頃、主治医から心理の先生との時間を作っていただきました。私の不安定さが顕著に現れていたようで、心配してくれてのことでした。
初めての体験でしたが、私も包み隠さず吐露できたので、とてもスッキリしました。さすがに先生ですよね。初めてお会いしたのに、終始穏やかで、みっちさんの言う通り励ましもせず否定もせず、気持ちをうまく引き出してくれました。
いつかまた、自分でコントロールが行かなくなったときに頼もうと心に決めて、それから自力で精神の鍛練をしてきました。

その頃から比べると不思議なくらい今の自分がしっかりとしてきているように思います。あんなに不安でいっぱいだったあの頃、神経をすり減らすほど病気の検索ばかりしていましたが、あのままだったら自分が崩壊してしまっていたかもしれません。

解決してくれたのは時間なのかもしれません。救いを求めて模索していくなかで、先輩方のブログに勇気をもらい、将来を悲観せず考えられるようになってきたとき、やっと先輩方のブログを読み進めることができるようになりました。

それからは、時には暗い気持ちの記事もありますが、面白おかしく楽しんで過ごしている日常を見せていただいて、退院後の生活に楽しみを見いだせるようにもなりました。

改めて今回、この記事を読み返させていただいたのですが、自分も似たような気持ちを抱いていたことを思いだしました。
気丈なみっちさんが(勝手な想像ですが)、こういった時期を経てこられたのかと、胸が苦しくなりましたが、同時に私だけではないと救われました。

トンネルの例え話をよくあげていただくみっちさん。そこから何気なくこの記事を拝見したのですが、トンネルにも色々あるのですね(^^;

ひとみちゃんの前で涙を見せないみっちさん。私はまだまだ自信がありませんが、長女の前でも見せてもいいと思っているのが嬉し涙です。
4歳になった長女に感動的なことを言われると涙がポロリ。そんなときには「嬉しい時にも涙が出るんだよ」と言ってギュッとします。
嬉し泣きをすることはずっと先の長女かと思いますが、悲しいことではなく温かく優しい気持ちなんだということを伝えたいと思っています。

一緒に頑張っていきましょうと、温かいコメントもありがとうございます。
みっちさんの足元にも及ばない私ですが、今回この記事と再び出会って、自分と向き合い、少しは前に進んでいると自信を持てたような気がします。

あっ、今回は過去記事ですから、返信は結構です。(ならコメントしないほうがいいのかと思い悩みますが)

ブログは過去にも戻れて、とても素敵なものなんですね!

勇気りんりんさんへ

勇気りんりんさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
返信は結構だと言っていただいたんですが
過去記事を読んでコメントくださったこと、とても嬉しくてつい返信をしてしまいました(^^)

まず最初に…
長いコメントは私としてはとっても嬉しいです☆
何かを発信したいという思いよりも、
対話をしたい思いでブログを書いているので、
コメントのやりとりのおかげで、
自分の気持ちが整理でき、新しい考えを持てるようになれること、
本当にありがたいと思っています。


勇気りんりんさんも、心理の先生との時間を作ってもらったのですね。
精神的に本当にきつい時に、うまく気持ちを引き出してくれ、ただ受け止めてもらうことが
どんなにどんなに救われる思いだったかと思います。

時間薬、というのはありますよね。
時間が経つうちにふっと、楽になることがあり、時間の経過とともに自分が変わっていける。

ブログは、その人その人の思い、せいいっぱいの思いが詰まっているだけに、
つらいこと、苦しいことがストレートにこちらに伝わってくることもあれば、
勇気をもらったり、自分はどうだろうと見つめ直すきっかけになったりもしますね。

今回の記事は、これまでの人生の中で自分が一番苦しかったときの記事です
(今の時点での一番、ですが(^^;)。
でも当時は、その時が一番とは思っていませんでした。
きっと、もっと辛いことはあるだろうから、負けないように、と思えば思うほど
トンネルが長く、暗いものに感じました。

この時期は、本当にしんどかったけれど、
今思えば、とても大事な時期だったと思っています。
ふたばの母親になるための準備の時期だったのかなぁと。


4歳の長女ちゃんは、きっと日々、心が豊かになっていて、
勇気りんりんさんが伝えた嬉し涙のことも、
だんだんわかってくるでしょうね。
温かい気持ち、きっと伝わると思います。

先輩方のブログを読み進められるようになったこと、
それは勇気りんりんさんにとって、大きな一歩なのではないでしょうか(^^)
時間が経つにつれ、勇気りんりんさん自身がどんどん変わってこられているんですよね。
それは自信につながると思います。
ゆっくりゆっくり、楽しみを見つけながら、
前に進んで行けたらいいですね。
私も、まだまだです。でも、どんどん強くなっているはず、と思って過ごしています。

私、ミスチルが好きなんですけどね、
「どんな不幸からも 喜びを拾い上げ
笑って暮らす才能を誰もが持ってる」
という歌詞の曲があるんです。
多分、障害を持つお子さんを育てているお母さんをはじめ
本当に苦しい思いをしてきた人こそ、
その「才能」が培われているはずと思っています。
他の人より、ずっと強いって思ってます。

私の方こそ長くなってしまいました。
本当にいつもありがとうございます(^^)