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Author: みっち 
とっても小さく生まれ、重症心身障害を持つ次女・ふたばと過ごす日々を綴ります。

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「ヒトは見ようと思うようにしか見えない」(『医療的ケア』)

久しぶりの本棚カテゴリー更新です。
本を貸りても、なかなか読む時間が作れず…(^^;


『医療的ケア』
大阪養護教育と医療研究会 著
クリエイツかもがわ

医療的ケア


今回紹介するのは、
大阪の学校現場における「医療的ケア」(吸引・経管栄養・導尿の補助)についての実際と、
教育についての本です。

大阪での肢体不自由教育のあゆみから、医療的ケアに関する振り返り、
また重度障害をもつ子どもたちへの、いろいろな立場からの関わりがまとめられています。

本を読んで印象的だった部分を紹介していきたいと思います。

  ※この本が出版されたのは、2006年なので
    今で言う「特別支援学校」は、当時の呼び方「養護学校」と表記されています。
    (「養護学校」が「特別支援学校」という名称に変わったのは2007年)
    ここでも、本の表記そのままに「養護学校」と書きます。




現在、大阪市では(どこの自治体でもそうなのかな?)学校の教員が医療的ケアを行っています。

大阪市立平野養護学校の牧先生は、訪問教育と医療的ケアの関わりについて
具体的に、生徒を訪問するようすや、学校行事等のお話を交えて執筆されています。

牧先生は、医療的ケアを必要とする子どもたちのお母さんのためにも
子どもと教師が一対一で接する時間が大切だ、と述べます。

『(お母さんたちは)いつも子どものそばにいて、
体調を整え、注入や吸引など付きっきりで生活しています。
そんな姿を見ていると、子どもが通学できるようになり、家族から離れて過ごすことができるようになることは
子どもの大きな成長』

『子どもと教師が一対一で接する時間をもつことは、訪問教育において自立に向けた指導の一つだと思います』

宿泊訓練などの行事においては、お母さんも付き添うのですが、
できるだけ先生に任せて友だちと過ごす時間を作るようにし
部屋も別にして過ごすことで、自信につながる、と述べています。


また、交野養護学校の校医による講演の中で
学校スタッフによる医療的ケアが行われることには、さまざまな意義があるというお話があったとのことでした。
それは、子どもの自立心や精神的な成長、さまざまな活動への参加という「教育的意義」。
学校でも医療的ケアを実践されることで健康・生命が維持できる「医療的意義」。

私がとても心に残ったのは「福祉的意義」で、
それまで母親が24時間、医療的ケアを強いられていたことへの負担を軽くできること、
それから障害児のきょうだいのケアができること、という内容です。

『見落とされがちなのですが、障害児の兄弟が今まで我慢をしてきたという事実があります。
親が障害児に時間的にも精神的にもかかりっきりになることによって、
親の気持ちが他の兄弟に向かず、心理的に追い詰められるということがありました。
そういう意味で母親に時間ができると家族のQOLが守られる。
こういうこともとても大きなメリットです。』


最後に、第一びわこ学園の理学療法士、高塩さんの書かれているこの言葉がとても印象的でした。

「ヒトは見ようと思うようにしか見えない」

理学療法士である高塩さんは、呼吸リハビリテーションについて述べられているのですが
冒頭にこんなことを書いておられます。

『呼吸リハビリテーションに関する多くの出版物では、
呼吸障害の発生メカニズムや具体的な呼吸介助方法など
知識や技術面に焦点があてられ、
呼吸機能障害により困っている子どもや家族の姿が思い浮かばないことが多々あります。
それは、援助している対象が「肺」や「胸郭」であって
呼吸障害に障害をもって生活している子どもや家族ではないからです』

高塩さんは、呼吸リハビリテーションを始める前に、
子どもたちの気持ちになって援助することが大切だと書かれています。
子どもを一人の「人間」として理解するように努めることが大切だと。

(とても印象的な言葉なので、記事のタイトルにしてみました。いつもは、本の題名をタイトルにしていますが…)

こういうスタンスで子どもに関わってくれる人って、こちらにも伝わってきますよね。
子どもも、どういう関わりをしてもらえるかということに、とても敏感な気がします。

温かい関わりをしてくれる人がいるからこそ、親は子どものためにと頑張れるし、
この人になら任せられると信じることができてこそ、親は自分の時間が持てるのだと思います。

この本の中には、普段大変お世話になっている方や、過去に出逢った大先輩が執筆された章もあり、
とても読みごたえのある一冊でした。



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コメント

Secret

No title

台風に翻弄されている朝です。💦
みっちさんの選ばれる本は、私では見つけることさえない本で、本当にこの本棚のカテゴリーは好きです(^O^)
ヒトの本質ですよね。
見たいようにしか見えてこないというのは、障害児のケアに限らず、ここでも取り上げられている 兄弟児さんにも言えることだと思います。
「うちのお兄ちゃんは弟の面倒をよく見てくれます」とか、「一人でなんでもできるんです」とかすてきな兄弟であればあるほど、疑ってかかったほうがきっと良いんだろうけれど、親も障害児のお世話で余裕がないと、「うちのお兄ちゃんは大丈夫」と思いたいから そう見る。
兄弟児さんの方も、そんな親の気持ちを察して「大丈夫だよ」という。(>_<)
ジャニーズは聖人君主みたいでないとイカンとか。
今の世の中、「見たいように」に自分を沿わせている若い人が多くて、精神疾患も増えているのかもしれないですね。
「いい子」な子供がやたら多い💦
またいろいろ考えさせられます。ありがとう(^O^)

ちまきさんへ

ちまきさん、こんにちは☆
コメントありがとうございます。

ほんと、きょうだい児にも言えることですね。
「見たいように」に自分を沿わせている人は確かに多いと思います。
世の中のいろんな事件、問題につながっている気がします。
「見ようと思うようにしか見えない」心の目のせいで、苦しみがどれだけ生まれているかと思うと想像を絶するものがあります。

たとえ同じ本棚を眺めていたとしても、人によって見つける本が違うんですよね(^^)
私はまだまだ早いけど、ふたばの就学のことに意識が向いてるせいで、この本を手に取りました。
見方を変えると、もっと他の本にも目が行くのかもしれません。

ちまきさん、いつも一緒にいろいろなことを考えてくださってありがとう~~(^^)

台風の影響は大丈夫ですか?
被害が増えないことを願うばかりです。