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とっても小さく生まれ、重症心身障害を持つ次女・ふたばと過ごす日々を綴ります。

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『生きることが光になる』

図書館の福祉コーナーで見つけたこの本。
タイトルに惹かれて思わず手に取りました。

『生きることが光になる』
國森康弘・日浦美智江・中村隆一・大塚 晃
社会福祉法人びわこ学園 編著
クリエイツかもがわ
生きることが光になる

このタイトルは、滋賀県にある重症心身障害児者施設「びわこ学園」の
創立50周年記念事業のテーマでもあったそうです。


タイトルの由来について、まず触れておきますね。


「この子らを世の光に」という言葉があります。
「障害者福祉の父」と呼ばれ、
障害者入所施設を開設するなど、福祉の実践を重ねた社会運動家、
糸賀 一雄(いとが かずお)さんの有名な言葉です。

「この子ら」とは、障害児(特に知的障害児)を指しています。
この言葉を生みだした背景を、糸賀さんは著作の中でこう語っています。

「この子らはどんな重い障害をもっていても、
だれと取り替えることもできない個性的な自己実現をしているものである。
人間と生まれて、その人なりに人間となっていくのである。
その自己実現こそが創造であり、生産である。
私たちの願いは、
重症な障害をもったこの子たちも立派な生産者であるということを、
認め合える社会をつくろうということである。

『この子らに世の光を』あててやろうという
哀れみの政策を求めているのではなく

この子らが自ら輝く素材そのものであるから、
いよいよ磨きをかけて輝かそうというのである。
『この子らを世の光に』である。」

「に」と「を」を入れ替えただけで、
こんなに意味が違う言葉になるものです。



さて、今回紹介する本の話に戻りますが、
「この子らを世の光に」からバトンを受けたテーマとして
つけられたのが「生きることが光になる」というタイトルなのだそうです。


この本のテーマは、
重症児者の福祉と、入所施設の今後のあり方について。
創立から半世紀を超えたびわこ学園が、
これまでどのように、
重症児者とその家族を支援してきたのか。
そして今後の課題は何なのか。ということが書かれています。

編著者の1人・國森 康弘さんは、被災地などで
看取り・在宅医療・地域包括ケアの撮影に力を入れている写真家。
國森さんは、数々の取材を通して、こんなことを話しています。
「病というもの、障がいというものは、
エネルギーがどんどんなくなっていって朽ち果てていくという
悲愴感漂う先入観をもっていたけれど、
病や障がいをかかえるほど、
内に秘めている生きる力、エネルギーが
どんどん高まっていくのではないかと思うようになった」と。

そしてさらに、
「びわこ学園のような(重症心身障害児者のための)施設は、
自己完結せずに、もっと地域に存在感を発揮してほしい」

「障がい者と言われる人や、高齢者と言われる人が、
地域の真ん中で暮らしていけるような
そんな施設を含めた地域づくりをみんなでいっしょにやっていけたら」
と書いています。


また、編著者の1人・大塚 晃さんは、大学教授であり、厚生労働省の障害福祉の委員長。
本の中で、「障害者総合支援法」を取り上げて、興味深いことを述べています。

障害者総合支援法は、平成25年4月から施行されている法律で
以前は、障害者自立支援法と呼ばれていました。
名前が変わっただけでなく、
例えば基本理念のところに
このような条文が付け加えられたそうです。

「どこで誰と生活するかの選択が確保され、
地域社会において他の人々と共生することを妨げられないこと」

これについて大塚 晃さんは、
障害のある方の、「自分たちのことは自分で決める」という
自己決定、意思決定の表明だ、ととらえています。
周りの人が勝手に「本人にはわからないのだから、こうしよう」と決めるのではなく
障害を持つ本人の意思が尊重されるべきだ、と。

こういった考えが、法律の条文に入ったことは大きなことだと
大塚 晃さんは評価しています。



以前書いた記事でも、何度かこういった考えに触れてきました。
(『寝たきり少女の喘鳴(こえ)が聞こえる』の中で紹介した、
障害を持つ子は他の子ども達のために存在するのではない、といった考え)
(『療育講座(リハビリのこと)と、大失態』の中に、
「◆両親の役割◆」という部分で、
自立とはどういうことかを、療法士さんが話していた内容)
『いつかの自立に向けて』の中で、
保育主任のYさんが話していた内容)



私自身も、ふたばがNICUを出て、
重症心身障害児者施設に入所するまで、
療育というものも知らず、
重度の障害を持つ子どもや大人が生活している施設の存在も知りませんでした。
きっと近くにあっても、こちらが知ろうとしない限り、
なかなか正確な情報は入ってこないんじゃないかと思います。

生きていくためにたくさんの人の手を借りることが必要な、重い障害を持つ子どもや大人たち。
その中で、本人にとってどうなのか、本人の気持ちや意思はどうなのか、ということが
尊重されることが大切。
そして障害を持つ人たちの存在を、もっともっと地域社会でアピールすることで、
周りの人たちに知ってもらうことが、理解につながるんだと思います。
よくわからないから偏見や差別が生まれる。
でも知ってみたら、案外親しみがわいたりして。

重い障害を持つ子どもや大人たちが、自然に地域社会で暮らせる、
そんな世の中を目指したいですね。

この本のタイトルのように、
すべての人にとって、生きることが光になればいいなと思います。


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コメント

Secret

こんにちは!

まさに、私が読むべき本ですね!
滋賀県ではびわこ学園、めっちゃ有名です。というかびわこ学園くらい大きな施設はないかも。

ただあんちゃんの住む地域とはかなり離れてて、実際あんちゃんがお世話になるかはわからないんですが。
もし三人目ができたら、レスパイト頼むかもなぁ〜って感じのところなので、その本、かなり読みたくなりました!

あんちゃんの将来に関しては、漠然と施設なんだろな〜と親が決めてしまっていますが、そこにあんちゃんの意思が反映できるようあんちゃんは今から意思表示できるように頑張るし、私はそれをくみ取れるように頑張らないとダメですよね。

さっそく読めるようポチります!!

おはようございます。
私も自分の子供が障害児という立場になるまで知らなかったこと、知ろうとしなかったことがたくさんあります。
ただ、最近よく感じることがあるんですが、障害児という立場になってうちの子はずいぶんと守られているなぁってことです。
糸賀さんをはじめ、多くの先輩たちが築いて来られたものの上に乗らせてもらって。(>_<)
それに比べて、引きこもりとか軽い自閉症などのわかりにくい障害をおっている人たちは大変だと感じます。
私の中にも恥ずかしながら 「〜のくせに」と思ってしまう心が根強く残っています。
娘に対して「子供のくせに」とつい思ってしまいます。
「大人のくせに」「おたくのくせに」「働いていないくせに」「女のくせに」
こういう感情はどうしたら無くなってくれるんでしょうか。(>_<)
私がそう考えている部分が、間違いなく娘にも伝わって、娘にもそういう発想が植え付けられているんだと思うと、申し訳ない気持ちになります。
でもなくせないんです。
自立を認めるということは、相手を認めるということですが、初めて会った人までを認めるというのは、なかなかに大変で困難な作業なんだろうと思います。
一期一会の相手の背景までも想像できるようになりたいものです。
ながなが すみません。(>_<)

はくじゅさんへ

はくじゅさん、こんにちは☆コメントありがとうございます。

やっぱりかなり有名なんですね!他の本にもよく出てきていて
とても充実した大きな施設なんだろうな~と思っていました。
はくじゅさんの住む地域と近いのかな?どうなのかな?と思っていましたが
そっか~離れているんですね。

意思表示ができることって、生きていくためにとっても大事なことなんだなぁって実感する今日この頃です。
そして親が、子どもが出すサインを意味づけして、それをどんどん言葉で表現していくことも大事なんだなぁって。
これから大きくなるにつれての課題が見えてきました。
ぜひ読んでみてください(^^)

ちまきさんへ

ちまきさん、こんにちは☆コメントありがとうございます。

ちまきさん、確か、大ちゃんの通っている学園には、
見た目にわかりにくい障害を持つお子さんがいらっしゃるんですよね。
私は、肢体不自由児の集まる施設に通っているせいかなかなか身近にいらっしゃらなくて
(気づいていない、知らないだけかもしれませんが)
実際の保護者の声をほとんど聞いたことがないんですけど、
身体障害を持つ子よりも…というか、違う種類の大変さがあるのだろうなと想像します。

身体のように見た目にもわかる障害があって、生きていくためにいろいろなケアが必要な人にとっては
福祉制度とか、医療的な問題などの歴史が長いので、
多くの方々が頑張って築いてこられたものの恩恵を受ける事ができているのかもしれませんね。
その点、自閉症などの障害については、歴史が浅いというか、
まだまだ世の人々の理解が得にくい面がきっと多いのでしょうね。


「〜のくせに」というのは、きっと誰もが植えつけられているものだと思います。
「小学生になったんだから、自分で○○をしようね」
というような何気ない指導の中にも、「小学生はこうするもの」という観念があるからで…
もちろんそれが必要な場面も多いのだろうけど…
難しいことですね。

特に初めて会った人については、年齢なども推測に過ぎないし
背景を想像したいと前に書きましたが、簡単に想像できるようなものでもないと、思います。

うーん、うまく言葉にできません(^^;

こうやって、人と意見を交わせる機会があることがありがたいです。
ちまきさん、いつもありがとうございます。
ものを考えるきっかけをもらっています。

はじめまして

はじめまして、いつもブログを読ませていただいています。
読み逃げしていて申し訳ないです。私がブログ等やっていないので…

私は東京在住で、長男(小二)と次男(一歳半)がおり、次男に飲み込みに障害があり(認定等は受けていませんが)、それでよくこちらを読ませていただいています。

みっちさん、とても素敵な文章を書かれますよね。この「本棚」のカテゴリーもファンです、私(*^^*)

また、この「本棚」楽しみにしてます♪

あ、最近私が感動して、涙止まらず…だった本、みっちさんに読んでもらえたらなぁ…と勝手に思っています。
完全に片思いで(笑)すいません!!

「4/1の奇跡」マキノ出版
http://www.amazon.co.jp/gp/aw/d/4837661718?pc_redir=1408065182&robot_redir=1

まこさんへ

まこさん、こんにちは☆はじめまして。
コメントありがとうございます。

読み逃げなんて…読んでいただいているというだけでとっても嬉しいです。

1歳半の次男くんに飲み込みの障害があるとのことで、
STの指導なんかを受けておられるのでしょうか。
ふたばは嚥下の機能がほぼ無いような状態なので
STのことなどあまり参考にならないかもしれませんが…

本棚カテゴリーも読んでいただいているなんて(^^)
温かい言葉をありがとうございます。

まこさんが紹介してくださった本、是非読んでみたいと思います!
さっそく、検索してみました。
こんな風に情報をいただけて嬉しいです。

お返事ありがとうございます

お返事ありがとうございます!!

ブログて、すごいです。

みっちさんのような、人気ブロガーさんに、お返事をいただいてしまいました★つながってる感!嬉しいです!!

うちの次男は全く飲み込みが出来ない訳ではないのですが、周期的に全く飲食できなかったり、できても吐いてばかりだったり、やっと最近その原因がわかってきたところで、まだSTさんに指導を受けられていません。

次男の身体の中で何が起こっているのか分からない時に、みっちさんの文章に勝手ながら励ましをいただいていました(*^^*)その節も、ありがとうございました(>_<)

本、検索かけていただき、ありがとうございます。
本当に良いご本だったので良かったら是非(^-^)/

まこさんへ

まこさん、こんにちは☆コメントありがとうございます。

に、人気ブロガー?(笑)
自分の書きたいことをつらつらダラダラと書いているブログにそんなことを言っていただけるなんて!
励ましをもらったなんて言ってもらえて、こちらこそありがとうございます(^^*


まこさんの次男くんは、周期的に飲み込みが難しくなったり、吐いてしまったりするんですね。
原因がわかることで、その対策とか治療?などは前に進んでいるのでしょうか。
食べることは生きることに直結するものだし、少しずつでも良くなると良いですね。

わが子の身体の中で何が起こっているのか分からない時はとても不安になりますよね。
この子を苦しめているのは一体何なのかって。
人の体って、こんなにもわからないことがあるんだ、
こんなに複雑な働きがあって生きてるんだ、と、
ふたばが生まれてから初めて知りました。

本、早速ネットで注文しました♪
届くのが楽しみです。